東京和楽器の事業存続にご支援いただいた皆様へ

　この度、私達東京和楽器の廃業の報を受け事業存続に向けてご支援をいただいた、和楽器バンド関係者の皆様、和楽器バンド様主催による「たる募金プロジェクト」にご参加いただいた皆様、ならびに、東京和楽器の存続を願いご支援いただいたすべての方々に心より深くお礼申し上げます。

　私達が廃業を決断してから早一年が過ぎ、現在も事業を継続することができておりますのは何よりも皆様のご支援があったからこそでございます。この一年間、ご支援いただいた多大な支援金はもちろんでございますが、なにより三味線の存続を願う方々の思いが現在の東京和楽器を動かす大きな原動力となっております。

　数年前から続く三味線需要の減少を受け、私達は三味線という文化そのものの衰退をただただ嘆くばかりで、時代の流れ、時勢の変化に対応することができず、その結果去る2020年5月に止む無く廃業という決断を致すこととなりました。しかし、皆様の思いを目の当たりにすることで、私たちを必要としてくれる人たちがこんなにもいるということ、そして、三味線という文化がこんなにも愛されているということ知り、その責任の重大さを改めて痛感致しました。

　日本の伝統楽器である三味線は、音を鳴らす方がいてこそ真価を発揮するものでございます。私達メーカーはいつ何時も、どんな状況であろうとも、全ての演奏者に寄り添えるメーカーであるために、さらなる技術の向上を追求し、時代に追従する探究心を絶やすことなく、より一層の誠心誠意を込めて三味線を作り続ける所存でございます。そして、三味線という文化を遠い未来まで繋いで行けるよう努めて参ります。多大なるお心遣い本当にありがとうございました。

　最後になりましたが、新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々に、謹んでお悔やみ申し上げますとともに、感染拡大の影響を受けられた全ての方々に心よりお見舞い申しあげます。また、医療従事者の方々をはじめとする多くの方々に心より敬意を表します。