製品紹介 天神・棹 2021.06.03 2021.05.01 天神・棹・中木により構成されています。ジャンルによって仕様が異なり、非常に細分化された部位です。演奏する楽曲やお客様の手の大きさにあった太さの製品をご提供いたします。 長さについて棹の長さは、糸倉の下部(上駒の取付部分)から胴と棹の接合部(チリ)までを測ります。2尺6分を正寸として、1寸短いものを1寸詰め、2寸短いものを2寸詰めといった具合に呼称しています。 下棹の形状について下棹の形状には長唄式と地唄式がございます。特に長唄式のものは「鳩胸」と呼ばれています。一般的に小唄や天理胡弓などの下棹は長唄同様に鳩胸形状のものが使われています。 細棹・中棹・太棹について上記の規格寸法では主に、長唄が細棹、小唄・地唄・民謡が中棹、津軽・義太夫が太棹に該当します。特にご指定のない限り、当社では小唄・民謡には五厘大の胴を、地唄には一分五厘大の胴を仕込んでいます。当社製品をお手に取られる際は、棹と胴の寸法をご確認ください。 東さわりについて当社製の民謡・津軽の棹には標準で東さわりが付いています。花林製の棹には丸型を、紫檀・紅木製の棹には角型を入れていますが、ご要望により変更いただけます。 材料について現在、天神・棹に使用されている代表的な木材は花林・紅木・紫檀の三種類です。当社ではこれらの他にサテン・スネークウッド・メープル・リグナムバイタなど、様々な木材での製造実績がございます。 昨今の演奏されている三味線の多くは、継手を持った分解式です。この分解構造には長所と短所がございます.木取り(製材)の際に継手部分を利用することで、木の節を避けて木目の通った三味線を作ることができます。継手のない延べ棹(のべざお)は、節を避けることが困難なため限られた材料での製造となってしまいます。接手のある三味線は経年等で棹に歪みが生じた場合には継手を利用し修理することもできます。また、継手を作ることで分解と組立が容易になり、コンパクトに持ち運ぶことができます。一方でパーツ数が増えることで棹の剛性が低下するため、弦振動の阻害や継手の緩みによる「ビビり」を起こす可能性が生じます。また、継手自体の破損や目違いの修理といったメンテナンスが必要となります。これらの理由から、現在でも継手のある三味線とない三味線の両方が使われております。