事業内容 製造について

事業内容 製造について

imgproducts

東京和楽器では紅木や黒檀などの堅木を精密加工するための様々な技術を開発・継承しております。

工作機械による製材・加工に始まり人の手による組み立て・調整という、多岐にわたる工程を高精度かつ効率的に行うことで市場への安定供給を目指しております。作業工程の機械化と独自の分業体制の構築を事業の柱として、高品質な国産三味線を生産してまいります。

三味線は本体を複数に分解することが可能な、弦楽器としては特異な構造を持つ楽器です。

継手構造により組立・分解可能な棹や4枚の板を箱状に組んだ胴、アリ溝によって接合される天神など数多くのパーツによって構成されています。これらの加工・組み立ては精密な作業を必要とすることから、三味線は工芸品としての高い価値を生み出しております。

しかし、これらの複雑な接合構造を持つ三味線は、弦振動による楽器本体の共振を阻害する潜在的な因子を内包しております。弦楽器である三味線にとって楽器の「鳴り」を損なわせるこの問題を解決できなければ、どれだけ良い素材を用いたとしてもそのポテンシャルを生かすことはかないません。高精度の加工と調整を施し各パーツを密着させることが、三味線をより良い楽器にするために必要となります。

私たちは、135年に渡り培ってきた加工技術と三味線製造に特化した工作機械の導入によって、工芸品としての三味線と楽器としての三味線を両立しております。

強度的理由や音響的観点から、三味線には様々な堅木が用いられています。これらの材料は種類や産地によって性質が異なるため、ノコギリやヤスリといった道具を用いた製材・加工には膨大なリソースを必要とします。

東京和楽器では、加工に工作機械を用い製材に費す時間を短縮することで、組み立てや仕上げ工程に十分なリソースを割けるような分業体制を構築しております。1丁の三味線を工程ごとに複数の職人が連携して製造することで、均一な仕上がりを目指しております。個体差による「あたり・はずれ」を無くしたうえで、それぞれの素材が持つポテンシャルを最大限に引き出した逸品をご提供いたします。